2009年11月10日

相馬つかさ様より『私の王子様』

きゃああ〜≧ワ≦

私の尊敬している「菜の花色」の相馬つかさ様に、
実は、なんと成り行きでリクエストをする機会に恵まれまして……、
私はチョーシに乗ってしまい、
数少ない「身代わり伯爵」の二次の中でも、
更に希少価値のある(そして書くのが難しい;)フレリアをお願いしてしまったのです…
相馬様、ご迷惑をおかけしてすみません><。

ところが
相馬様、さすがです…何とも形容しがたいほど素敵なフレリアを書いてくださいました!!必見です!
お持ち帰りの許可が出たので、ありがたく頂戴してきました*^^*
私の宝物です!
もちろん、ここからのお持ち帰りは絶対禁止ですよ!

素敵な
相馬様のセシリア×フレッドワールドを堪能してくださいませv


相馬つかさ様、ありがとうございました!(o^∀^o)

『私の王子様』



ふわふわした赤い髪の毛を、セシリアは熱心にとかしていた。癖のある髪は、きちんととかさないと広がりすぎてしまう。髪は長く綺麗に保ちたいと、シアラン生まれの彼女は自然に思う。
それにもし、セシリアの王子様が頭を優しく撫でて、髪の一筋にそっとキスをしてくれようとしたときに、髪の毛が絡まっていたら台無しだ。いや、頭を撫でられたことは小さい頃にしかないし、髪にキスだなんてしてもらったこともないのだけれど。
「駄目だわ、そんなのきっと、どきどきして死んでしまうわ…」
あの明るくて綺麗な、お日様のようなひとが、セシリアの髪に微笑みながら唇を寄せて、「可愛い僕のお姫さま」だなんて言ったら…!
「〜〜〜〜〜〜〜っっっ!」
白百合の姫は、自分の空想に思わず自分を抱きしめて身悶えた。なんて素敵な王子様!世界中の誰より彼が大好きだ。
何とか激情をやりすごし、セシリアは鏡に向き直る。
「あら、また…」
彼女は眉をひそめ、ため息をついた。
よくよく見ると、髪の生え際が伸びた分だけ栗色なのが分かる。
何か疑いをかけられる前に、髪を染め直さなくては。アルテマリスにとって、不都合な存在になってはならない。それが自分の身を守ることでもあり、アルテマリスへの感謝の表し方でもあった。
「ローズ、いて?染め粉を用意して…」
第一の侍女の名を呼ぶと同時に、勢いよく扉が開いて、当のローズが飛び込んできた。
「姫さま!」
「な、何なの、騒々しい。何事?」
「ベルンハルト伯爵がいらっしゃいました!」
「えっ、伯爵が?」
セシリアはとっさに自分の身なりを確認した。大丈夫、一番似合うドレスだ。ああでも、もっと大人っぽい方が伯爵好みな気もする。
それにしても、セシリアが彼のことを考えているときに登場するなんて、まるで運命の恋人のようだ。そんな恋愛小説を読んだばかりで、姫君の胸は高鳴る。
「…仕方ないわね、通しなさい」
「ご機嫌よう!お呼びとのことで参上いたしました〜」
やっとの思いで表情を取り繕って指示を下すが、ローズがきびすを返すより先に当の王子様がにこやかに部屋に入って来た。
きゃああー!と内心でセシリアは悲鳴を上げる。
きらきらした青い瞳、真珠の歯、明るい声、さらさらの金の髪。こんな素敵な人、きっと神様が丹念して作り上げたに違いない。ああ、神様の御遣いだってこんなに美しくはないだろう。
心臓が跳ね上がり、セシリアから言葉を押し出す。
「何のことかしら?あなたなんて呼んでなくってよ。自惚れるのもたいがいにして欲しいわ」
きゃああー…!とセシリアは先ほどとは違う声を心のなかで上げた。こんな意地悪を言ったら嫌われてしまう。この優しい人の唇が冷たい言葉を紡いだら、軽く百年くらいは寝込むに違いない。
「そうでしたか?おかしいなぁ、確かに殿下の心の声を耳にしたのですが」
ねぇ?と小首を傾げてみせるのも、なんと様になるフリッツさま。などと、一瞬ぽうっとなったセシリアはハッとして口を開いた。
言いたいのは「そうなの、会いたかったわ」なのに、悲しいほどに彼女の唇は天の邪鬼だった。
「何を言っているのかしら。耳鼻科の医師(せんせい)に診ていただいたほうがいいのではなくて?わたくし、あなたの顔が見えなくて寂しいだなんて思ったりしてなくてよ」
あまりの言いぐさに泣きたくなるセシリアだったが、なぜなのだろう。いつもフレッドは楽しそうに笑うのだ。
「心配してくださってありがとうございます。でも大丈夫、殿下の可愛い声がちゃーんと聞こえていますので」
思わずセシリアの胸はきゅんとときめく。可愛い声って誉められたわ。この声が出せる自分で良かった!
「ところで殿下、さっき染め粉とおっしゃいました?」
「え…、ええ。それがあなたに何の関係があって?」
「いえ。ちょっと失礼」
フレッドはすっと手を伸ばし、セシリアの前髪に触れ、そのまま額を露わにした。彼の動作は自然で、だからセシリアはとっさに振り払うことを思いつかずに済んだ。それでも、突然殿方に、しかも意中の男の人に髪に触れられては、意識するなというほうが無理だ。
頬を赤くして固まっている少女に、フレッドはにこりと笑う。
「これを知ってるのがごく少数だと思うと、優越感を覚えるんですよ、殿下」
分かっていただけるかなぁと続ける。
「秘密を知ってるってゾクゾクしますよね」
彼の台詞でなければ怖い言葉も、甘い囁きに聞こえて、セシリアはますますどうしたら良いか分からなくなる。
自分も長く髪を染め続けているフレッドは、彼女の心中を思う。ずっと偽り続けることはなかなかに大変だ。
栗色の髪は、彼の親友によく似ている。赤い髪は、アルテマリスのセシリアの一部分だ。どちらも欠けてはならないし、否定することもできない。
ふと、彼はセシリアが硬直しているのに気づき、その小さな顔が真っ赤なのを見た。そして、ごく自然にセシリアとの距離を縮めた。そうしたいと思った。
セシリアの生え際に、柔らかくて温かいものが触れる。
セシリアが何が何だか分からないでいると、フレッドは前髪を放し、肩を流れる毛先を一筋掬った。緊張に潤む琥珀の瞳にわざと自分を映しながら、その髪にそっとキスを落としてみせる。
そのときになって、やっとセシリアは生え際に触れたものが彼の唇だったのだと思い至った。
あまりに驚いて、やっと声が出る。
「…やっ、あ、あなた、何をするの!」
そこまでで止めたのは、彼の表情がいつもと違い、からかうだけのものではなかったからだ。
「ねぇ殿下。ぼくは、どちらの殿下もちゃんとお守りしますから」
「え…」
栗色の髪も、赤い髪も。
「ぼくは殿下の騎士ですからね」
マリルーシャも、セシリアも。

そう理解して、お姫様はますます王子様のことが大好きになった。

(終)
posted by 聖火 at 16:54| Comment(0) | 大切な頂き物 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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